榎本くるみ – 冒険彗星 歌詞の考察

こちらもゲームのテイルズ・オブ・ジ・アビスの曲になります。
カルマの歌詞の考察と一緒に読んでいただけたらグッとくるものがあります。

こちらはゲームのエンディングテーマです。
OPのカルマとEDの冒険彗星。
この組み合わせでいくつか気がついたことがあります。
実はカルマ同様にツインソウルのことを歌ってるんじゃないのか?ということです。

カルマを男性視点の曲とするならば冒険彗星を女性視点
これは意図して作られてるとしか思わざるをえませんでした。

そしてこの曲の作詞をされたのが、カルマを作詞したBUMP OF CHICKENの藤原さんです。

作中で女性との別れなんてあったかな?と疑問に思っていました。
歌詞の序盤にあるように「また二人で見つけようよ」
女性の視点で書かれていることで、メインヒロインの視点なのかな?と考えていたのですが
二人でという部分に疑問を感じます。
作中では二人で旅をする設定にはなっていませんでした。

そこで、カルマ同様にこれをツインの考えにあてはめてみれば納得がいきました
こじつけ感がでているのは勘弁してください(笑)

カルマの歌詞の考察はこちらです。
BUMP OF CHICKEN – カルマ 歌詞の考察

また二人で見つけようよ 遠すぎて消えてしまったものや
側にありすぎて消してしまったものや
痛みの数だけ強くなると言えた弱さを

これはカルマの歌詞の続きとも捉えれることができます。
今世が終わり、失ったことや失ったものをを意味しています。
そしてそれらをもう一度見つけようよと語りかけます。

リュックの中 夢と不安が半分ずつで
捨てられない写真で仕切って東と西へ
双眼鏡が微かに見えた景色は
別々の地図選ばせた

リュックの中とは魂の中の気持ちを表し、今世を離れ新しい旅立ちです。
希望と不安を半分ずつ抱きます。
捨てられない写真とは、今世の記憶。二人は再び半分になります。
そしてお互いが学びを得るために西と東へ。反対の方向へ行きます。
この「別々の地図を選ばせた」とあるように、学びを得るために
別々の道を通らなければならないという使命をお互いが感じたのです。

思いもしなかった一人でいる時も
二人でいる時も 同じ寂しさがあるなんて
近寄るだけじゃ手に入れられない 温もりがあるなんて

一人でいるときも二人でいるときも
同じ寂しさがある。同じ魂であり繋がっているからです。
そしてそれは傍にいなくともお互いの存在を感じること。
これは二人が今世で出逢って理解したことです。
一人でいる時は「離別」のステージを意味しているとも捉えることができますね。

愛されたいと望みながら
その先は怖くて目を背けてた

これはチェイサーの心理ですね。
本当は愛されたいのに、あまりの愛の深さに恐怖を覚え逃げ出した。
そしてずっとその先を見ることに目を背けていたこと。

また二人で思い出そうね 追いつけなくて笑いあった事や
追いかけすぎて通り過ぎた事や
何が出来るのかを知った時に知る儚さを
いつかきっと 待ってる

来世で生まれ変わっても、今世で追いかけあったこと(ランナーチェイサー)、笑いあったこと(幸せだった時間)
それらの記憶を思い出そうって約束します。
何ができるのか知ったときの儚さとは
それはお互いが人生を大きく見たときに儚く思えることを指しているのではないでしょうか?
何億年も時を過ごした魂からしてみれば、人生はとてもわずかな儚い時間なのかもしれません。
二人は再び逢える、その時間のことを待っているということです。

さあそれから約束と後悔の靴を履いて
双曲線上笑って手を振った始まりの日
それぞれの星と間を巡ったら
銀河で待ち合わせましょう

約束は再会を意味し、後悔とは前世で果たせなかったこと、学びが足りなかったのかもしれませんね。
「双曲線上」これは長い別れを意味したかったのではないでしょうか?
双曲線の軌道の彗星は、太陽に近づくのは一度きりで二度と戻ってこないそうです。
摂動などによって戻ってくるとしても数十万年以上かかるらしいです。
太陽を出発点に二人は笑いながら学びの旅に出ます。
そして様々な星へ行き、学びが終われば銀河で待ち合わせしましょうと約束します。
ここでいう銀河とは、人類の住む地球・太陽系を含む銀河のことを指しているのではないでしょうか?
太陽には二度と戻ってこれないかもしれない、けれど2つの魂は必ず引き寄せあいます。
その愛を信じて二人はまた逢うことを約束します。

離れたくないと願いながら
離れゆく二つの引力の行方を

ここでは二人の気持ちが表れています。
離れたくないと願いながら、お互いは強く求めます。
引力は続きながらもここで二人は離れていていきます。

また二人で探そうね 幸せの位置や 悲しみとの距離や
憧れに触れて確かめて
何が出来ないかを知った時に知る強さを
いつかきっと 出会わない旅路で出会えたら

旅立った女性側の気持ちです。
あの時幸せだったこと、悲しみながらも距離を置いたこと。
会いたいと切望し、憧れ。それに触れて本当の強さや真実の愛を知った時のこと。
もう二度と出逢わない旅路。
それでも僅かな希望で奇跡が起きて出会えると思います。

自分の軌道と光度で心は燃えて声に変わって
繋がって生まれた偽りのないメロディー
その鼓動と周期を把握して生まれた意味は
生きていく意味など超えた場所にある

光度で心は燃えて声になる、ここでイメージされるのは彗星です。
ですがよくよく考えてみてください、彗星って何かに似ていませんか?
そう、魂です。魂そのものですね。

「周期的な鼓動」お互いが共鳴しあうときの魂の鼓動、そのリズムや波長を意味してるのではないでしょうか?
生きていく意味は、魂が肉体という器を離れたその先にあるということを意味してるのでしょう。

あなたと繋いだこの歌を 歌いながら 迷いながら
私はここ 冒険の途中
ひとりにひとつ与えられてしまった 世界の真ん中

2つの魂が出逢い、繋ぎあった。二人だけが理解できる魂の鼓動。
旅に迷いながらも、私はここにいるよと呼び続けます。
「ひとりにひとつ与えられてしまった世界」
与えられてしまったとあるように自分自身の意思ではないことが伝わってきます。

また二人で見つけようよ
遠すぎて遠ざけちゃったものや
側にありすぎて変えてしまったものや
痛みの数だけ強くなるといえる弱さを
その正しさを
強さと引き換えに差し出した涙の在処を

そしてもう一度離れ離れになった双子に呼びかけます。
この歌詞はエゴの手放しを意味しているのではないでしょうか?
強さを得るために、何度も葛藤しそして涙も流した。

そしてきっと 平行な旅路の交差点で
今もずっと 始まりの二人が 待ってる
待ってる

平行な旅路の交差点
始まりの二人
待ってる

この3つから捉えられるのは
二人が再会した未来といったところでしょうか。
未来で二人が待ってる。
待ってるを2回言っているのは、自分に言い聞かせているようにも捉えられますね。

曲全体から感じ取れたのは
今世が終わった二人は、お互いの魂を磨くとても長い旅に出る。
そしてまた銀河系の地球という星に戻り、次こそは一緒になろうと約束する。
その悲しい別れを前向きに歌っているように思えました。

カルマが出逢いを果たす曲であるならば、冒険彗星は別れを果たす曲です。

最後の方はなかなか理解に苦しみ、妄想全開だったため、こじつけっぽさが出てしまってますがこんなところでしょうか?
冒険彗星、改めて素敵な曲だと思いました。